2017年12月14日木曜日

モミ

クリスマスも近づき、清教学園でも正門に入ってすぐの木にイルミネーションが飾り付けられています。この木は何か知っていますか?……クリスマスツリーでよく使用される「モミ」です。
(清教学園で12月5日に撮影)

アダムとイブの物語に登場する知恵の樹は「リンゴの木」ですが、リンゴの木は落葉広葉樹林なので、冬には葉が落ちてしまいます。そこで常緑針葉樹林であるモミの木が使用されたと言われています。モミの他にもトウヒなども使用されたりしています。

同じマツ科のモミ、ツガ、トウヒはよく似ていますが、モミの葉は先端が2裂して鋭く尖っているのが特徴です。



2017年12月6日水曜日

皇帝ダリア

第一体育館の前に「皇帝ダリア」が咲いていることを教えていただきました!かなり大きいですね!2〜3m程あるでしょうか?私も園芸品種の植物については知識が乏しく、皇帝ダリアの存在を今まで知りませんでした。11月24日(金)に見た時は花が1つ、本日見た時は花が3つに増えていました。これからどんどん花が咲いていきそうですね。楽しみです!

(11月24日に清教学園で撮影)

さて、この皇帝ダリアについて「なぜ花弁(花びら)が8枚なんだろう?」と疑問に思いませんか?。


コスモスも皇帝ダリアと同じキク科・メキシコ原産です。皇帝ダリアやコスモスは花弁が8枚あるように見えます。真ん中にある黄色い小さな粒のように見えるのが「筒状花」(雌蕊(しずい)や雄蕊(ゆうずい)をもつ←めしべとおしべのこと)と呼ばれる花で、黄色い小さな粒も実は花なんです!また、まわりのピンク色の花弁に見えるものが「舌状花」(雌蕊や雄蕊をもたない)と呼ばれる花です。大きな花に見えるものは、たくさんの花が集まった「頭状花序」と呼ばれるものです。舌状花は筒状花だったものが、虫に花粉を運んでもらうために進化して目立つようになったと言われています。

つまり、花弁が8枚あるのではなく、外側に位置している舌状花が8つあるということでした。
(12月6日に清教学園で撮影)

2017年11月17日金曜日

シロヨメナ

清教学園のグラウンドからテニスコートに向かう道で「シロヨメナ」が咲いているのを見つけました。ヨメナという名前は嫁のようにかわいい花を咲かせることから「嫁菜」という名前がついたと言われています(他にも説があるそうですが)。ヨメナの仲間には「ペラペラヨメナ」というおもしろい名前のものまであります。

ヨメナに代表されるキク科のシオン属は「ノギク(野菊)」と呼ばれ、きれいな花を咲かせますが、種の見分けが非常に難しいです。清教学園に生えていたものは、「葉が茎を抱かないこと」と「冠毛が長いこと」から私は「シロヨメナ」と同定したのですが、他にも
ヨメナ、イナカギク、ノコンギクなど似ている種類がたくさんあります。


セイタカアワダチソウ

清教学園では多くのセイタカアワダチソウが見られます。この時期どこでもよく見かけるので名前を知っている人も多いと思います。


セイタカアワダチソウの特徴として「アレロパシー」が知られています。根から化学物質を分泌し、他の植物が生育するのを阻害します。この作用を「アレロパシー」と言います(アレロバシーは「他感作用」とも言い、促進する物質にも使います)。

「それではセイタカアワダチソウ自身も育たなくなるのでは?」と思いませんか?…高密度になると自身にも中毒を引き起こし生育できなくなるそうです。とは言っても群生している姿をよくみるので「本当かな?」とも思ってしまいますね…。

またアカマツにも他の植物の生育を阻害するアレロパシーが知られています。清教学園にもアカマツが生えているので、アカマツの下に生えている植物の数を調査しているのもおもしろいかも知れませんね!

日本の侵略的外来生物にも指定されているので邪魔者扱いされる植物ですが、よく観察してみると、花もかわいい形をしています。



2017年11月13日月曜日

ススキ

以前「クズ」を紹介した時に「秋の七草」を紹介しました。
〜以前投稿した文より〜
秋の七草は「お好きな服は?」と覚えます。
(お:オミナエシ、す:ススキ、き:キキョウ、な:ナデシコ、ふ:フジバカマ、く:クズ、は:ハギ)

今回は秋の七草の「ススキ」をご紹介します。今の時期は「セイタカアワダチソウ」や「ススキ」がどこでも見られ、よく目立ちますね。下の写真は清教学園で10月2日に撮影したものです。花穂は赤い色をしています。


まだ赤みががっているススキもありましたが、下の写真(11月13日に清教学園で撮影)のように白い毛のある種子(穎果)がつくと、穂全体が白っぽく、いかにもススキらしくなります。


イヌタデ

植物の名前には「イヌ」と付いているものが多いです。「犬死に」という言葉のように「イヌ」という言葉は、「役に立たない」という意味で使われます。そこで、役に立たないけれども姿や形がよく似ている植物の名前に「イヌ」がつけられることがあります。(犬には申し訳ないですね…)

今日撮影した「イヌタデ」もそんな「イヌ」がついている植物の1つです。(写真は11月13日に清教学園で撮影)

「ヤナギタデ」と呼ばれる種類があるのですが、これは辛みがあり刺身のつまに利用されたりします。刺身についている赤紫色のカイワレのようなものを見たことはありませんか?…そうこれがヤナギタデです(ヤナギタデの子葉(芽生え))(下写真)。「タデ食う虫も好きずき」という言葉もこの辛みのある葉をもったヤナギタデに対して言った言葉です。

これに対して特に「役に立たない」イヌタデですが、じっくり観察してみると意外と綺麗な花を咲かせています。皆さんはどう思いますか?



2017年10月23日月曜日

キンモクセイ

下の写真は10月2日に清教学園で撮影したものです。小グラウンドの端に生えていて、清教学園中学校に在籍した生徒なら一度は必ず見たことのある木だと思います。(どこの場所だか分かりますよね?)さて何の木か知っていますか??良い香りがするあの植物です!

上の写真は10月2日に清教学園で撮影したものです。

この植物は「キンモクセイ」です。キンモクセイはモクセイ科の植物で中国原産です。雌雄異株ですが、雄株が日本に移入し、それが挿し木などで増やされているので、基本的には日本には雄株しかありません。また開花時期が非常に短いのも特徴ですね。
上の写真は家の近くで10月16日に撮影したものですが、拡大してみると花も非常にかわいいですね。

2017年10月20日金曜日

アベマキ

10月も半ばを過ぎ、急に寒くなってきました。また、外を歩いていてもドングリを見る機会が増えましたね。

ドングリはブナ科、特にコナラ属植物がつける果実の総称で、今日紹介するのは「アベマキ」です。アベマキもブナ科コナラ属の植物です。アベマキのドングリはダルマ型の大きなものが多いです。(写真の下の2つは細長いですが‥)またどんぐりの帽子(これを殻斗と言います)には反り返った針状の鱗片をつけるのが特徴です。



アベマキとクヌギのドングリは非常に似ていて、ドングリでの見分けは少し難しいです。アベマキとクヌギは以下の点で見分けるとわかりやすいです。

葉‥アベマキの葉は裏側に毛がびっしり生えており白っぽく見える。クヌギの葉は裏側にあまり毛が生えていないので緑色に見える。

アベマキの幹の樹皮には深いしわがたくさん入るが、クヌギはしわが浅い。

校内のどんぐり探しをして、何の植物なのかを調べてみてもおもしろいですね!!

2017年10月18日水曜日

ミズヒキ

このブログへの以下のようなリクエストをいただきました。ありがとうございます!
「学食調理場前の植え込みにきれいな赤の可憐な「ミズヒキ」が咲いています。イヌタデはよく見ますが、これは街中ではなかなか見かけません。」

私も早速ミズヒキを見に行ってきました。以前中1生の校外学習の引率で金剛登山に登った時にたくさんミズヒキが咲いていたのを覚えていますが、校内で咲いているとは知りませんでした!(写真は清教学園で10月18日に撮影)


 種子散布様式にはいろいろなものがありますが、ミズヒキは動物散布することで有名です。下の写真のように花柱が伸びてきて先端が曲がってトゲになります。果実になるとこれが動物に付着し、種子が散布されます。
また花弁が開いた様子を撮影したいですね。




2017年10月13日金曜日

サザンカ

久しぶりの投稿になってしまい申し訳ありません。修学旅行に定期テストと忙しい日々を過ごしています。久しぶりに校内を歩いているとサザンカが咲いているのを見つけました。

サザンカとツバキはよく似ているので見分けが難しいですが、一般的に言われているのは以下のようなものです。

サザンカ…ツバキ科ツバキ属。秋〜冬(10月〜2月頃)に花を咲かせる。花びらが1枚1枚落ちる。葉はツバキよりも小さく、鋸歯がある。

ツバキ…ツバキ科ツバキ属。冬〜初春(12月〜4月頃)に花を咲かせる。花がまとまって落ちる。葉に鋸歯がない

清教学園にはサザンカもツバキも咲くので是非見比べをして楽しんで欲しいと思います。

2017年9月25日月曜日

オシロイバナ

鑑賞用に植えていたものが広がったのか、清教学園のゴミ捨て場の向かいにオシロイバナがたくさん咲いています。オシロイバナの名前は、種子を割ると白粉(おしろい)状の胚乳があり、これを白粉(おしろい)に見立てて子どもが遊んだことからその名がついたそうです。オシロイバナには花弁がなく、花弁のように見えるのは萼(がく)です。
(清教学園で8/25に撮影)

 (清教学園で8/25に撮影)

(清教学園で9/14に撮影)

2017年9月16日土曜日

イタドリ

以前「ナルトサワギク」や「オオキンケイギク」などで「特定外来生物」について説明しました。今回紹介する「イタドリ」は「侵略的外来生物」です。
(9月12日清教学園で撮影)
その違いは…
◎特定外来生物…外来生物のうち、生態系、人の生命・身体・農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれのあるものの中から指定される。外来生物法によって指定されている生物。
◎侵略的外来生物は、外来生物の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるもの(沖縄に持ち込まれたマングース、小笠原諸島に入ってきたグリーンアノールなど)
説明もよく似ていますね。だから特定外来生物であり、かつ侵略的外来生物である生物もたくさんいます。

今回紹介するイタドリは、日本の在来植物であり、スカンポと呼ばれ山菜としても親しまれています。そのため日本の「特定外来生物」にはもちろん指定されていません。ところが、イギリスなどではこのイタドリがイギリスの在来種を脅かす外来生物となっていて、「世界の侵略的外来種ワースト100」にも指定されている程です。このように日本から海外に行き外来生物となっている種類もあります。

とは言ってもよく観察してみるとかわいい花をつけています。イタドリは雌雄異株です。この写真は雄しべ(雄蕊)が目立つので雄花でしょうか?
(9月12日清教学園で撮影)

2017年9月13日水曜日

エノキグサ

清教学園のテニスコート横にクズが繁茂していますが、その足元にエノキグサが咲いていました。エノキグサは植物の「エノキ」に葉が似ていることからその名がついています。(キノコのエノキとは関係がありません。)また、以前紹介したコニシキソウと同じトウダイグサ科の仲間です。(清教学園で9月13日に撮影)

先端についているのが雄花です。そして根元にあるのが雌花です。雄花が下に転げ落ち、それによって雌花が自家受粉します。おもしろい受粉方法ですね!清教学園でも階段の隙間にたくさん生えているのですが、小さいので意外と気付きません。

2017年9月12日火曜日

キツネノマゴ

清教学園のグラウンドまで続く坂に「キツネノマゴ」が咲いていました。キツネノマゴは、穂状花序がキツネの尾に似ていることから、また花が小さいことから「孫」の名前がついています。ピンク色の小さい花がついていて可愛らしいですね。また花は以前紹介した「コナスビ」のように葉腋部分に付くのも特徴です。

            (写真は9/11に清教学園で撮影)


カラスウリ

カラスウリの花はなんとも幻想的で、私の好きな花の1つです。カラスウリはつる性で、雌雄異株(雄花と雌花を別につける)の植物です。また、「カラスウリ」という名前は、鳥の「カラス」ではなく「唐朱(唐の朱墨)」、カラスウリのオレンジ色の果実がそれに似ていることから名前が付けられているそうです。

清教学園のテニスコート横で植物観察をしていると、カラスウリのつぼみやカラスウリの果実を見つけました。(果実はこの後よく知られているオレンジ色に変わっていきます。)


しかし、カラスウリは日没後に開花し、日の出までには花がしぼんでしまいます。そのため日没後にもう一度観察に行きました。すると…1つだけですが、綺麗なカラスウリの花が咲いていました。

 レース状の白い花弁を持った花を咲かせるのが特徴的です。


2017年9月11日月曜日

クズ

秋の七草は「お好きな服は?」と覚えます。
(お:オミナエシ、す:ススキ、き:キキョウ、な:ナデシコ、ふ:フジバカマ、く:クズ、は:ハギ)

さて、今日紹介するのは秋の七草の一つ「クズ」です。清教学園の植物を観察していると、坂下のテニスコートのすぐ横に「クズ」が繁茂していました。つるは数mにも達するのでかなり大きいです。またクズの根は肥大し「塊根」となり、多くのデンプンを含みます。これを葛粉にして葛餅(くずもち)が作られます。



写真のように、クズの穂状花序は下から上に順番に咲いていきます。(花序は花の配列状態のこと)(写真は9/11に清教学園で撮影)

2017年9月9日土曜日

アレチヌスビトハギ

アレチヌスビトハギは北アメリカ原産の帰化植物で、「荒地でも生え、果実が盗人の足跡に似ているハギ」であることからその名がついています。果実は非常に有名で、くっつきむしとして、靴やズボンなどによくつきます。アレチヌスビトハギの果実は「節果(せっか)」と言って、果皮(さや)が中の種子ごとにくびれて分離します。イメージとしては枝豆の膨らんでいるところが1つ1つ分離するといった感じでしょうか。

(9月7日に清教学園で撮影)

(9月11日に清教学園で撮影)

2017年9月7日木曜日

オジギソウ

久しぶりの投稿です。生物の授業でオジギソウを紹介し、その後も育てていた「オジギソウ」が9月2日(土)に花を咲かせました。オジギソウは南米原産の植物で、日本では沖縄で帰化植物として繁殖しています。本州はオジギソウにとっては温度が低いため、野外で繁殖するまでには至っていません。



オジギソウの特徴はその名の通り、お辞儀したように葉が垂れ下がることです。触れることによって葉が垂れ下がります(接触傾性)。そのメカニズムは以下の通りです。

1、接触刺激によりカリウムイオンが放出される。
2、細胞から水が流出する。
3、水が流出することにより、内側から押し広げようとする力(膨圧)が減少する。
4、膨圧の減少によって細胞の体積が減少し、葉が閉じ葉が垂れ下がる。(膨圧運動)

もちろん細胞に水が戻れば、細胞はもとの大きさに戻るため、葉の様子も元に戻ります。
また、接触刺激がなくても、夜になると葉が閉じ、葉が垂れ下がります(就眠運動)。オジギソウは24時間の内因的なリズム(概日リズム)を持っており、これによって就眠運動を引き起こすと考えられています。

またオジギソウだけではなく、以前紹介したネムノキも同じマメ科ネムノキ亜科に属する植物で同じような特徴が見られます。





2017年8月30日水曜日

センニンソウ

久しぶりの投稿になります。総合体育館横の道を降りていくと、つる植物である「センニンソウ」がきれいに咲いていました(清教学園で8/25に撮影)。白い花弁に見えるのは実は萼片です。「センニンソウ(仙人草)」の名前は果実の先端につく白い毛を、仙人のひげに見立てたものだとか…。

また園芸品種で知られているクレマチスも同じキンポウゲ科センニンソウ属の植物で、同じくつる性で有毒植物です。トリカブトもキンポウゲ科でこれももちろん有毒植物です。


2017年8月24日木曜日

ボンド草!?〜ハイニシキソウ〜

久しぶりの更新になってしましました。さて本日紹介するのは「ハイニシキソウ」です。(8/20に清教学園で撮影)植物(特に草本)のおもしろいところは、どこでも観察できるというところではないでしょうか?

下の写真を見て下さい。下の写真は8/22に私の家の近くで撮影したものですが、どこにでもあるようなこんなコンクリートの隙間によくコニシキソウが生えています。(どれがコニシキソウだか分かりますか?)

アップにして写真を撮影したものが下の写真です。清教学園で撮影したものもコニシキソウかと思ったのですが、葉の真ん中に暗紫色の斑点が無いことからどうやらハイニシキソウのようです。いずれも茎を切ると白いボンドのような乳液が出てきます。
普通に見られる植物ですので、是非コニシキソウ、ハイニシキソウを探してみて下さいね。